テレビなどのメディアでは、ゴミ屋敷が大きな社会問題になっており頻繁に取り上げられています。近隣周辺には悪臭や害虫が発生し、床が抜けたり火災の原因になってしまい、大きな迷惑を掛けることになります。
では、どうして物が捨てられないのでしょうか。
ということで今回は、ゴミ屋敷を作り上げてしまう人の心理状態から物が捨てられない理由についてご説明していきます。
目次
ゴミ屋敷を作り出してしまう5つの心理的要因

ゴミ屋敷化の背景には、単なる「だらしなさ」ではなく、その方の置かれた環境や複雑な心理状態が深く関わっています。主な原因として、以下の5つのパターンが考えられます。
- 「もったいない」という執着心が捨てられない
- 日々のストレスや心の疾患がセルフネグレクトを招く
- 「先延ばし癖」の積み重ねが限界を超えてしまう
- 潔癖症(強迫観念)ゆえにゴミに触れられなくなる
- 孤独や寂しさを「物」で埋めようとしてしまう
それぞれの心理状態がどのようにゴミ屋敷へと繋がっていくのか、詳しく解説していきます。
「もったいない」という執着心が捨てられない
ゴミが溜まってしまう大きな要因の一つに、「物を大切にしなければならない」という強い執着心があります。
特にお年を召した方の多くは、戦後の物資が乏しい時代を経験されています。食べ物も着る物も満足にない、今とは正反対の過酷な環境を生き抜いてきたからこそ、「使えるものは最後まで使う」「いつか何かに役立つ」という考えが深く根付いているのです。
そのため、たとえ壊れて機能しなくなっていたとしても、あるいは食品の期限が切れて食べられなくなっていたとしても、彼らにとってそれは「ゴミ」ではなく「貴重な資産」に見えてしまいます。この「もったいない」という美徳が、現代の大量消費社会においては、皮肉にもゴミ屋敷を作り出す原因となってしまうのです。
日々のストレスや心の疾患が「セルフネグレクト」を招く
ゴミ屋敷化の問題は高齢者に限ったことではなく、現在では40代を中心とした働き盛りの世代にも急増しています。
その背景にあるのが、職場での過度なプレッシャーや家庭環境の変化など、現代社会特有の激しいストレスです。これらを一人で溜め込んでしまうことで、ある日突然、糸が切れたように無気力になってしまうケースが少なくありません。
こうした精神的なアンバランスが進行すると、「自分自身を大切にできなくなる」というセルフネグレクト(自己放任)の状態に陥ります。うつ病などの疾患を患うと、食事や入浴、掃除といった「当たり前の生活」を送る気力さえ奪われてしまい、結果として室内がゴミで埋め尽くされてしまうのです。これは決して本人の「怠慢」ではなく、心がSOSを発しているサインとも言えます。
「先延ばし癖」の積み重ねが限界を超えてしまう
「もったいない」という執着心や心の疾患だけでなく、日々の小さな「後回し」が積み重なってゴミ屋敷化するケースも多々あります。
「お皿洗いは後でいいや」「服は脱ぎっぱなしで明日たたもう」といった、誰にでもあるような小さな先延ばし。これが習慣化してしまうと、次第にゴミ出しのような「決まった日時に、決められたルールで行うべき作業」へのハードルが非常に高く感じるようになります。
一度ゴミ出しのタイミングを逃すと、「次の収集日でいいや」とさらに先延ばしになり、気づいたときには自力では運び出せない量まで溜まってしまうのです。 ゴミ屋敷への転落を防ぐには、生活リズムを整え、「これだけは今日やる」という小さなルールを守り続けることが大切ですが、一度限界を超えてしまった場合は、まずはプロの手でリセットし、再スタートを切る環境を整えることが解決への近道となります。
潔癖症(強迫観念)ゆえにゴミに触れられなくなる
「綺麗好きな潔癖症の人が、なぜゴミ屋敷を作ってしまうのか」と、不思議に思う方も多いかもしれません。一見すると矛盾しているようですが、実は潔癖症が原因で部屋が荒れてしまうケースは決して少なくありません。
このタイプの根底にあるのは、「汚いものに一切触れたくない」という強い拒絶反応です。 一度「ゴミ=不潔で恐ろしいもの」と強く認識してしまうと、ゴミ袋にまとめたり、集積所まで運んだりする行為そのものが、本人にとっては耐えがたい苦痛になってしまいます。
「汚れに触れるのが怖くてゴミを放置する」→「放置されたゴミがさらに汚れて、もっと触れなくなる」という悪循環に陥り、最終的に部屋が手に負えない状態になってしまうのです。これは性格の問題ではなく、心理的なケアや専門家によるサポートが必要な、非常に苦しい状態であると言えます。
孤独からくる「寂しさ」をゴミで埋めてしまう
ゴミ屋敷化の背景として最も多く、かつ深刻なのが「孤独からくる寂しさ」です。 メディアで取り上げられるゴミ屋敷の主(あるじ)に高齢者が多いのは、定年退職や身近な人との別れによって社会的な繋がりを失い、深い孤独に陥りやすいことが一因となっています。
人は耐え難い孤独を感じたとき、その心の空虚さを埋めようとして無意識に物を周囲に溜め込んでしまうことがあります。これを「セルフネグレクト」や、物を捨てられず収集し続ける「ため込み症(ホーディング)」と呼びますが、本人にとっては「物に囲まれていること」だけが唯一の心の安らぎになってしまっているのです。
つまり、外から見ればただの「ゴミの山」であっても、本人にとっては孤独から自分を守るための「心の壁」のような役割を果たしているといえるでしょう。
孤独に陥る背景には、以下のような具体的なきっかけが挙げられます
- 職場の人間関係による挫折・離職
上司や同僚とのトラブルが原因で退職し、自信を喪失したまま社会復帰のきっかけを失ってしまうケースです。 - 大切な家族やパートナーとの死別・離別
最愛の家族との死別や、離婚による独り立ちなど、心の支えを失った喪失感から無気力に陥ります。 - 長期化する引きこもり生活
将来への不安や就職活動の失敗から自宅に閉じこもるようになり、外の世界との接点が完全になくなってしまう状態です。 - 過去のいじめやトラウマ
人間関係で深く傷ついた経験から、他者と関わることに恐怖を感じ、自分だけの空間(ゴミ屋敷)に閉じこもってしまいます。
このように、何らかの理由で一度「引きこもり」の状態になってしまうと、誰にも助けを求められず、結果としてお部屋がゴミ屋敷化してしまうのです。こうした事態を防ぎ、解決へと向かうためには、家族や周囲の人が焦らず、こまめにコミュニケーションを図りながら「孤独の解消」を目指す必要があります。
ゴミ屋敷になってしまう心理状態の人を救い出す方法とは

ゴミ屋敷になってしまう心理状態の人を救い出すには以下の方法が考えられます。
- ゴミ屋敷に住んでいる人と積極的にコミュニケーションを図る
- 一緒にゴミを捨てていく
- ゴミ屋敷の片づけを不用品回収業者へ依頼する
それぞれ簡単にご説明していきます。
ゴミ屋敷に住んでいる人と積極的にコミュニケーションを図る
ゴミ屋敷に住んでいる人と積極的にコミュニケーションを図ることで、相手の心理状態を理解してあげることは非常に重要です。「物に思い入れがある」、「物を捨てることはできない」など話していくとゴミ屋敷に住んでいる人の気持ちを知ることができます。
ここで注意点として、決して説教をしてはいけないということです。説教をしても喧嘩になる可能性が高いため、相手の話をしっかり理解したことを態度で示すことが重要です。話を聞いていくうちに打ち解けてこちらの話に耳を傾けてくれるかもしれません。
一緒にゴミを捨てていく
積極的にコミュニケーションを図っていくと、「ゴミを捨てたいけど、捨てられなくなってしまった」という話を聞くかもしれません。そういうときは、一緒にゴミを捨ててあげると良いでしょう。
あまりのゴミの量で自分一人では処分することが難しいと感じているかもしれません。「ゴミ捨て手伝うので、一緒に片づけていきませんか?」と一言声をかけてあげると、ゴミ捨てに積極的になるかもしれません。一度、ゴミ捨ての手伝いを申し出てみましょう。
ゴミ屋敷の片づけを不用品回収業者へ依頼する
すでにゴミ屋敷となってしまった方や、実家親戚の家がゴミ屋敷になってしまった場合、どこから手を付けてよいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ゴミ屋敷問題で片悩んでいるご家庭は、本人にいくら片づけて欲しいと訴えても出来ないため、ゴミ屋敷の清掃を専門にしている業者に依頼するのも一つの手です。
ゴミ屋敷で生活をしている本人には居心地の良い空間である場合もあります。不要な物と必要な物を区別できない人もいるため、家の不用品を処分して片付けるポイントなどを知っているプロに片づけ方法を教えてもらいながら一緒に行うことが大切です。
すべて人任せにしてしまうと、一時的には片付いてもすぐに元に戻ってしまう可能性が高いです。不衛生な環境を目の当たりにし、清潔な居住空間を作るメリットを知ってもらうことが何よりも大切だと思います。
ゴミ屋敷の問題は「心」の理解から始まります
いかがでしたでしょうか。ゴミ屋敷になってしまう背景には、単なる「だらしなさ」ではなく、喪失感や疾患、過去のトラウマなど、本人だけでは解決できない深い心理的要因が隠れていることが少なくありません。
今回の内容をまとめると、以下の通りです。
- 「もったいない」という執着心
- ストレスや心の疾患(セルフネグレクト)
- 先延ばしにする癖
- 潔癖症(不潔恐怖)
- 孤独からくる「寂しさ」
こうした状況を解決するには、本人を責めたり邪険にしたりせず、まずはその心理を理解しようとする姿勢が何よりも大切です。家族や周囲が積極的にコミュニケーションを図り、寄り添いながら、必要に応じてプロの力を借りることが、清潔で安心な暮らしを取り戻す近道となります。
関西クリーンサービスでは、お客様の心に寄り添い、無理強いしない丁寧な片付けを心がけております。お部屋の片付けだけでなく、ご家族だけでは難しい「心の整理」も、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。お困りの際は、いつでもお気軽にご相談ください。

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