不用品回収業者とリサイクルショップは、「不用品を引き取る」という点は同じですが、その行程は全く違った方法で利益を得ています。どのような違いがあるかわからず、どちらに依頼するのがお得なのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、不用品回収業者とリサイクルショップの違いや双方のメリット・デメリットを比較し、どのように使い分けていけばいいかをわかりやすくご紹介いたします。
目次
不用品回収業者とは？
不用品回収業者は「回収した回収品がお金になる・ならないに関わらず、ユーザーが不要な物品を回収する」ことを仕事としています。リサイクルショップよりも回収可能な物の種類に幅があり、出張回収という面で利便性が高いのが特徴です。
ただし、回収できないものもあります。例えば、地域のゴミ回収に無料で出せるような生ごみやビニールごみ、廃棄に特別な許可が必要となる危険物、医療系廃棄物は、許可を取得していない業者でないと回収してもらえません。回収してもらえるかどうかは、あらかじめ業者に連絡し、見積もり時に確認を取っておくと回収時のトラブル回避になります。
リサイクルショップとは？
不用品回収業者に対し、リサイクルショップは不用品回収業者よりも取り扱う物の幅が狭くなります。というのも、リサイクルショップの回収基準は「リサイクルして販売できるもの」であり、主に故障していない使用可能な家電や傷の少ない家具等を買取っています。
「リサイクル可能なもの」として定義すると、回収可能の物品の定義は難しくなりますが、業者側は「売却することで収益になるか」どうかで回収の可否を決めています。そのため、リサイクルに特化している業者ほど回収できるものが狭く、リサイクルできない品目の回収を断ることが多いです。
不用品回収業者のメリット・デメリットは？
不用品回収業者へ依頼する際にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。簡単にまとめてみました。
不用品回収業者のメリット
不用品回収業者へ依頼するメリットは、基本的に「依頼主は処分に関して何もしなくていい」という点です。電話やメール1本で全て完了するため、すぐに不用品を回収して欲しい、回収や処分に時間をかけたくない方にお勧めです。また、不用品回収業者によっては買取も行っており、不用品を買い取ってもらうことで費用の軽減が期待できます。
不用品回収業者のデメリット
不用品回収業者へ依頼すると、必ず「費用」がかかります。不用品回収業者へ依頼せず、自分で自治体のごみに出すなどして処分しようとすれば費用は業者へ依頼するよりも格段に安く抑えられますが、手間と時間がかかります。
不用品の処分は、手間をかけずに料金を払うか、料金を支払わずに手間をかけるかのどちらかになります。状況や環境に応じて依頼するかどうか決めるといいでしょう。
リサイクルショップのメリット・デメリットは？
上記では不用品回収業者のメリット・デメリットについてご紹介しましたが、リサイクルショップにももちろんメリット・デメリットがあります。
リサイクルショップのメリット
リサイクルショップは、基本的にお客様から不要な物品を買い取り、それを店頭やインターネット上で販売することで収益を得ます。そのため、自分が不要になったものを現金化できるのが、最大のメリットとなります。
リサイクル業者は衣類や電化製品、家具等も引き取ってくれます。不用品を買い取って欲しい時に、リサイクルショップは適しています。
また、本や家具、洋服、カメラ等専門のリサイクルショップがあるため品物の知識が豊富です。ただし、買取不可の場合もある等、査定基準は不用品業者の買取より厳しめです。
リサイクルショップのデメリット
リサイクルショップに依頼する際のデメリットは2つあり、1つ目は「全て買い取ってもらえるわけではない」ということ、もう1つは「買取価格が低い傾向にある」ということです。さらに、リサイクル業者が「売れない」と判断した場合には買い取ってもらえません。
どちらが適しているかは、正式に契約する前に十分に見極める必要があるでしょう。
不用品回収業者が回収しない不用品は？
「ほとんどの不用品を回収する」不用品回収業者ですが、回収しない・できないものもあります。ここでは不用品回収業者が回収しない不用品について詳しく紹介します。
生ごみ等の家庭ごみ
多くの不用品回収業者では、液体や生ごみ等は回収できないものとして指定されています。
生ごみを回収してもらいたい場合は、指定の日に行われている自治体の回収を利用するか、生ごみも回収している業者を探す必要があります。中でもゴミ屋敷清掃のサービスを展開している不用品回収業者は、生ごみや家庭ごみを回収できることがあるので、問い合わせてみることをお勧めいたします。
危険物
油やガソリン、その他の危険物は不用品回収業者では回収してもらえないことがほとんどです。他にも、日本刀や刃物類といった銃刀法に抵触する不用品も回収してもらえない可能性が高くなっています。
ガソリンは、ガソリンスタンド等に持っていくことにより引き取ってもらうことが可能です。また、その他の危険物等特別管理廃棄物は、回収する専門業者が存在するため、調べた上で依頼しましょう。
主な危険物は以下のとおりです。
- 水銀が入った体温計や蛍光灯
- 火薬
- ガソリン
- 塗料
医療廃棄物
在宅医療が進化し、一般家庭から医療廃棄物と呼ばれるものが排出されることは増えてきました。しかし、中には感染症の危険が生じるものもあり、専門の許可を得た業者でなければ処分ができません。
医療機器の取り扱い説明書には廃棄方法が記されているものもありますので、自治体の窓口に問い合わせるか専門の機関に廃棄を依頼しましょう。
家庭から出る主な医療廃棄物には以下のものがあります。
- 注射器
- 輸液などのプラスチックバッグ
- カテーテル
リサイクルショップが買取しない不用品は？
リサイクルショップでは「売れないものを買い取らない」性質があります。具体的にはどんなものなのか、主なものを紹介します。。
製造5年以上の家電製品
リサイクルショップでは、製造年から5年以上経過した家電については買取を行っていません。家電によっては3年でも買い取らない場合がありますので、十分な確認が必要となります。
また、使えなくなった家電製品は、基本的にリサイクルショップでの買取は行いません。これは売却できないためであり、修理できるレベルであれば、ショップによっては買取をしてもらえる可能性はあります。
反対に、使用可能なパソコンやエアコン、冷蔵庫、洗濯機等はリサイクル業者で高く買い取ってもらえる可能性が高くなります。ただし、値段は年式や傷の付き方等、商品の状態によって変化します。
ノーブランドの衣服等
リサイクルショップは衣服の買取も行っていますが、買い取れるかどうかは非常に限定的で、ノーブランドの衣服は買い取ってもらえない、あるいは値段がつかないことが多くあります。
カバンや他の不用品と同じく、あくまで「商品になるかどうか」がリサイクルショップが買い取る基準となります。逆に、値段が下がりにくいブランド品は、少し古くても買い取ってもらえます。
納得いく価格で買い取ってもらいたい場合には、複数のリサイクルショップを回り、査定金額を比較してみるといいでしょう。
傷のついた家具等
リサイクルショップでは、傷が大きくついた家具や販売できない物は買い取ってもらえません。特に、年代物のタンスや机、傷のついた椅子、破けてしまったソファ等は買取が難しくなります。
ブランド物の高級家具やアンティーク品といったジャンルの物は買い取ってもらえるケースもありますが、基本的には買い取ってもらえないと考えておいた方が無難です。
また、名前の入った記念品等は買い手がつかず、リサイクルショップでは買い取ってもらえません。
売れるかどうかわからない場合は、事前に電話で確認することをお勧めいたします。
不用品回収業者・リサイクルショップに依頼する際の注意点は？
近年、不用品回収業者・リサイクルショップ共に業者とユーザー間のトラブルが増加しています。
特に多いのが以下のトラブルです。
- 見積もり後に追加料金を請求される
- 当日になって回収不可といわれる
- お金になりそうなものだけ回収し、不用品をそのまま残す
- 回収時に壁や家具傷つけられたのに補償してもらえなかった
「無料で回収する」「何でも買取」といった甘い言葉や、強引に回収を進めようとする業者には、十分注意して下さい。事前に見積書や領収書を書面かメールでもらう、不用品の処分方法をあらかじめ聞いておく等、ある程度予防策を講じておくことが、トラブル回避にもつながります。
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