飼い主が孤独死~残されたペットたちは極限状態で生き延びていた

作業カルテ

飼い主の孤独死

弊社の代表取締役であり、15年以上特殊清掃に携わってきた、亀澤範行代表。

愛犬家でもある彼が、忘れられない現場があります。

愛犬2匹を遺し、飼い主が突然死した現場。

ある日主人を失った犬たちは、“ある選択”をして生き抜きました。

生きるために、彼らが本能で取った行動。その現実が亀澤代表の心に重くのしかかりました。

この記事の執筆者

関西クリーンサービス 編集部

大阪・京都・奈良を中心に近畿一円でゴミ屋敷片付けや遺品整理、特殊清掃のサービスを提供。遺品整理においては受注件数5年連続関西No.1(※)の実績を誇り、片付けのプロとして日々さまざまなご依頼にお応えしています。

※東京商工リサーチ2019年~2023年「遺品整理業」調査において

関西クリーンサービス 編集部

64歳で突然死。愛犬家だった故人

作業前の現場の状況

今回の現場は、とある賃貸マンションの一室。故人は享年64歳の男性です。ご遺体は死後3週間経って発見されました。10年以上前から一人暮らしをしており、愛犬2匹とともに生活を送っていたそうです。

ご依頼主は、故人の娘さんです。現場の状況を見て「おそらく特殊清掃が必要だろう」とお考えになり、弊社にご依頼されました。ネット検索で見つけた弊社のホームページを見て、「テレビの取材をたくさん受けていて信用できそうだし、頼むならこの会社がいい」と思ってくださったそうです。

ご両親は10年以上前に離婚し、その際に娘さんも家を出たといいます。故人は愛犬たちを心の拠りどころとし、毎晩一緒に寝るほど溺愛していました。

室内の様子

蚊取り線香が散乱している

亡くなられたのはダイニングに続くキッチンの床です。現場は、犬たちによって荒らされた形跡がありました。

蚊取り線香が床に散らばり、故人の衣服や、椅子のクッションなどが散乱している状態。犬たちが歩き回っていた箇所は、床が少し黒くなるほど汚れていました。

ご遺体の腐敗が進んでいたため、体液や臭いが強く残り、10匹以上のハエが窓際で飛び回っていました。

ハエが飛んでいる

ベッドのある寝室も荒れており、至るところに糞尿が散らかっています。

汚れたベッド

唯一荒らされていなかった和室には、ペット同伴の旅行雑誌が落ちていました。ダイニングの壁にも、愛犬の写真がたくさん貼られたコルクボードが。

愛犬の写真

故人がいかに犬たちを愛していたのかが伝わってきます。

清掃の様子

消毒剤を噴霧

まず噴霧消毒してから、キッチンに残った体液の滅菌と除去作業を行いました。

「サニティア」という粉状の緊急汚物処理剤を、固まってしまった体液全体に振りかけていきます。

体液の消毒

次に「スクレーバー」と呼ばれるヘラ状の道具を使い、薬剤ごと体液を取り除きます。

スクレーパーで削ぎ取る

作業を進めていくと、新事実が明らかになりました。

こびりついた体液の中から、スマートフォンが出てきたのです。

体液の痕から出てきたスマートホン

最期に肌身離さず持っていたのでしょうか。もしくは、倒れたときにご自身で救急車を呼ぼうとしたのか。どこかに通報しようとした可能性も考えられます。

スマホには、犬の毛と体液が付着していました。

愛犬たちは主人のすぐそばで、その最期を見届けたのかもしれません。

発見したスマホ
(発見したスマホも清掃)

体液の処理後、仕上げに液剤を使って床を磨いていきます。

フローリングの清掃

作業開始から約3時間後、体液の清掃が完了しました。遺品整理を含め、トータルの作業時間は約7時間(※作業員5名)です。

作業後の状態

ご依頼主である娘さんに清掃後の現場を確認していただきました。

「跡が残るのかなと思っていたんですけど、『どこにあったのかな?』というくらいキレイになっているので、びっくりしました。父はもともとキレイ好きではなかったんですけど……やっぱり、ちゃんとキレイにしたら、本人は安心するのかなって気がします」(娘さん談)

特殊清掃の概要

地域奈良
作業内容除菌・消臭、体液痕の除去・洗浄
作業人数5名
作業時間約4時間
料金200,000円

大阪・京都・奈良で孤独死の特殊清掃にお困りなら関西クリーンサービスにお任せください

特殊清掃の作業は家財道具の片付け体液の洗浄だけでなく、脱臭、内装の撤去・やり替えなど多岐にわたります。関西クリーンサービスではこれらの作業を一貫して対応いたします。業界トップクラスの清掃、オゾン脱臭技術で、お部屋を原状回復。リフォーム業者様と提携されている場合の作業の範囲もお気軽にご相談ください。

対応地域

最短即日で無料見積もりいたします。

電話・出張お見積もり、出張査定すべて無料!!

通話料無料! 受付時間8:00~20:00(年中無休)

各種クレジットカード対応!!

スマートフォンひとつで簡単にお支払いができる、決済サービス「PayPay」にも対応しています!

発見当時の犬たちの様子

質問に答えるご依頼主様
(インタビューに答えてくださった娘さん)

発見当時の犬たちの様子についても、娘さんにお聞きしました。

「とにかく外に出たがり、落ち着きがなかったです。『開けてくれ』といった様子で玄関のところまで来ていて、ドアを開けたらそのまま外に出ていきました」

その後病院へ連れていき、娘さんの自宅で保護したそうです。

保護された犬たち

「父が亡くなる瞬間まで、一緒にいたんだなと思うと……家の中で、ワンちゃんに看取られながらだったのは、父にとっていちばんいい形だったのかなと思います。もし父が入院していたら、病院ではワンちゃんに会えないですし」

故人の死因は、心疾患と推定されています。娘さんいわくヘビースモーカーで、以前から病状は出ていたそうです。

タバコの吸い殻
(部屋に残された大量の煙草の吸殻)

「(入院の話があっても)犬たちが心配ですぐ帰っていたのかな」と娘さんは語ります。治療よりも、愛犬たちとともに過ごす時間を優先したのかもしれません。

犬たちはどうやって生き延びたのか

作業中の様子

ところで、ご遺体が発見されるまでの3週間、犬たちはどうやって生き抜いたのでしょうか。

水もエサも尽きたなか、彼らが取った行動は、非常につらく悲しいものでした。

ご遺体発見のきっかけは、近隣住民からの苦情です。「犬の鳴き声がうるさい」と、管理人さんに連絡があったといいます。様子を見に来た管理人さんは玄関のベルを鳴らしたものの、誰も出てこないことを不審に思い、警察を呼んだそうです。

警察が部屋の中に入り、ご遺体を見つけました。愛犬たちは、故人のご遺体を食べて生き延びていたそうです。

それを知った亀澤代表は、現場で言葉を詰まらせました。

「飼い主の気持ちを考えたら……どうなんでしょうね。僕だったら、ワンちゃんが生きてくれるんだったら、食べられてもいいかなと思います」

電話・出張お見積もり、出張査定すべて無料!!

通話料無料! 受付時間8:00~20:00(年中無休)

各種クレジットカード対応!!

スマートフォンひとつで簡単にお支払いができる、決済サービス「PayPay」にも対応しています!