ゴミ屋敷に住んでいた70代男性の孤独死。神仏に囲まれた部屋の遺品整理の記録

作業カルテ

疎遠だった父の遺品整理。連帯保証人になっていた娘さまから依頼

事業の失敗、酒に溺れる日々、そして家族との断絶。

孤独死した70代の男性が暮らしていた部屋には、大量の仏像やお札、手書きの訴状と、祈りや執念がにじむ遺品が残されていました。

彼に何があったのか。
遺品整理をするなかで、孤独死の背景と“故人の人生の断片”が見えてきました。

解説:関西クリーンサービス 近藤 嘉貴
遺品整理人歴18年(2026年現在)。
お客様それぞれのご事情、ご要望に合った整理のご提案を心がけ、関西クリーンサービス随一の丁寧な接客に定評。

2024年のT-1グランプリ(YouTubeチャンネル「たっくーTVれいでぃお」主催)出場を機に、現在は整理・清掃現場のリアルを広く伝える語り部としても活動している。
Xアカウント:@KONDO_Kclean
目次
  1. 荒れ果てた部屋と布団に残る血痕
  2. 遺品整理の現場で現れた異様な光景と違和感
  3. 遺品の訴状やノートに刻まれた執念と孤独
  4. 家族に拒まれ、地域に慕われた孤独死男性が遺したもの
  5. 高齢者の孤独死、遺品整理の費用と作業内容
  6. 【ご供養まで対応】孤独死の遺品整理は関西クリーンサービスへ
  7. 関西クリーンサービスでは一緒に働くスタッフを募集しています

荒れ果てた部屋と布団に残る血痕

関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

今回は、孤独死された高齢男性のご家族から、遺品整理のご依頼をいただきました。故人は70代で、借家で一人暮らしをされていたそうです。今回は室内の残置物をすべて搬出し、家を大家さんに引き渡せる状態まで整えます。

私たち関西クリーンサービスが訪れたのは、細い路地を入ったところにある、築年数の古い2階建て連棟住宅。玄関先からすでに異様な雰囲気が漂っていました。

遺品整理現場の状態

部屋の奥まで広がるゴミ、立てかけられた建築用と思われる資材。その下部には血痕のようなものも見られ、荒れた生活の様子が外からでも感じ取れます。

遺品整理現場の状態
関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

吐血の痕のようなものが残っています。故人は亡くなる前、身体を悪くされていたのかもしれません。

室内の荒れ具合は、「ゴミ屋敷」と呼ばれる現場に比べると軽度でした。
床に散乱した段ボールや空容器は多いものの、生ゴミなどは適宜処分していた形跡があり、最低限の整理はされていたようです。

遺品整理現場の状態

作業をしていると、近くを通りかかった女性にお話しを聞くことができました。偶然にも、ご遺体の第一発見者だった地域の民生委員の女性です。ご遺体発見のきっかけは、資料配布の訪問だったと教えてくださいました。

関西クリーンサービススタッフ

第一発見者の女性

年に一度、一人暮らしの高齢者の方に資料を配る担当をしているんです。チャイムを押しても反応がなくて、声をかけても返事がない。ドアが開いていたので中をのぞいたら、玄関先に倒れていました。変だなと思って手を鼻のあたりに当てたら息をしてないような感じがして、すぐに救急車を呼びました。

地域とのかすかな接点が、長期間誰にも発見されない事態をかろうじて防いだのです。

遺品整理の現場で現れた異様な光景と違和感

遺品整理作業

遺品整理は、まず玄関からキッチン周辺の分別から始まりました。

段ボールやチラシ、食品の空き容器などが散乱しており、生活動線が塞がれているような状態。散らかった部屋によくある光景です。スタッフはいつものように黙々と仕分けと搬出を進めていきました。

しかし、目立ったゴミを一通り分別・搬出し、奥の居室へと足を進めた頃から、遺品に少しずつ違和感を覚えるようになりました。

そこで目に飛び込んできたのは、床の間にびっしりと置かれた神仏の像だったのです。

遺品整理作業
関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

像の周りにはいくつものお札やお守りもあり、信心深いというにはあまりに数が多く、一般的な信仰の域を超えているような印象がありました。

その異様さにスタッフの口数は徐々に減り、どこからどう手を付けるべきか、動きもゆっくりと慎重に。
とはいえ、私たちは遺品整理のプロ。臆せず淡々と片付けを続けます。

関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

お札や仏像は提携しているお寺に依頼して、個別供養や合同供養をさせていただきます。

遺品整理作業

像やお守りなどを一つひとつ丁寧に片付けていると、袋に詰め込まれた大量の小銭を発見しました。さらに位牌の傍らに積まれていた仏教関係の書籍からは、何枚ものピン札が登場。

遺品整理作業
関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

遺品整理の現場では、本の間に“へそくり”としてお金が挟まれていることはよくあります。ただ、今回はそういうのとは違った印象ですね。

片付けを進めていると、再びスタッフの手が止まりました。
ゴミの中から現れたのは、細長い医療用の容器。その中には、黒く変色した小さな塊が入っています。

遺品整理作業
関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

容器が入っていた袋に、「癌の手術で取り除いた患部」と書かれていました。手術で切り取った患部を、あえて手元に残す人もいるそうですが…

大量の信仰物やお金、切り取った患部。部屋に遺された物を見つめながら、スタッフたちは何かが引っかかる感覚を抱きつつ、片付けを進めていきました。

床の間の整理がひと段落したあとは、最初に大まかに片付けたキッチンへと移動。冷蔵庫など、大型の家具家電の処分を行います。

ここでもひとつ、異様な光景が。
まるで封印するかのように、冷蔵庫にガムテープが貼られていたのです。

遺品整理作業

慎重にテープを剥がして扉を開けると、中にはタッパーに詰められたおかずや、レトルト食品、冷凍うどんなどがぎっしりと詰め込まれていました。
未開封のスナック類も部屋のあちこちに転がっており、空腹を満たすための淡々とした食生活が浮かびます。

遺品整理作業

床の間に並べられた仏像への祈りとは対照的な、その食の簡素さ。
私たちはそこに、何か噛み合わないような違和感を覚えました。

遺品の訴状やノートに刻まれた執念と孤独

遺品整理で見つかったのは、仏像や金銭だけではありませんでした。
部屋のあちこちに、本棚や段ボールに収まりきらないほどの書類が積まれていたのです。

保険の契約書や動産関係の書類など、財産に関わる重要書類が混じっている可能性もあるため、処分はことさら慎重になります。一枚一枚、内容を確かめながら作業を進めていきました。

すると、封筒に入った書類の束や、ファイルにまとめられた資料、何かを必死に調べていたような手書きのメモが次々と見つかりました。

遺品整理作業
関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

これは……訴状ですかね。シリアスな書類が次々に出てきます

住居侵入・窃盗被害の告訴状とみられる書類や、多額の金銭被害を訴えるメモなど、複数のトラブルを抱えていたことが伺えました。

遺品整理作業

故人はかつて建設関係の仕事を営んでおり、残されていた書類の中には、事業に関係すると思われる資料も含まれていました。

手書きの書類は角ばった均等な文字で、同じ主張や疑念が何度も繰り返し書かれており、対人関係に少なからぬ軋轢があった様子が伺えました。

遺品整理作業
遺品整理作業
関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

何かに取りつかれているような必死さを感じました。被害妄想に近い状態だったのでしょうか…

一方で、遺品の中からは警察からの感謝状も見つかりました。どうやら故人は、連続窃盗事件の解決に協力したことがあったようです。角ばった几帳面な筆跡と合わせて考えると、故人は強い正義感を持つ人物だったのかもしれません。

床の間に並べられた仏像や、小銭、書籍に挟まれた紙幣は、状況を何とかしようとした祈りや願いの痕跡だったのか…。その声にならない感情が、残された訴状やメモに刻まれていました。

家族に拒まれ、地域に慕われた孤独死男性が遺したもの

遺品整理作業

第一発見者である女性は、故人について「町内の集まりに積極的に参加されていた」と語ってくださいました。

関西クリーンサービススタッフ

第一発見者の女性

近所を歩いている姿や、バスを待っているところをよく見かけていたので、まさか……という気持ちです。まだお若いですし、本当にびっくりしてしまって…。

地域の人々には、明るく人当たりのよい印象を持たれていた故人。しかし、娘さんにお話を伺うと、家庭内での姿はまったく異なるものでした。

お客様A

お客様A

昔から酒癖が悪くて、身内に厳しく他人に優しい人でした。だから近所からのイメージが良いのは、まぁ、そうだろうな……という感じです。父との思い出はとくにありません。「怖い人だった」という記憶しかないんです。

静かに語られた言葉からは、積み重なった距離の深さと冷たさがにじんでいました。

お客様A

お客様A

両親の離婚を機に、父とは離れて暮らすようになりました。もう10年以上前のことです。離婚前から兄弟は家を出ていましたが、末っ子の私は最後まで残っていました。

遺品整理作業

娘さんとのやり取りで、もうひとつ印象的だったのは、「知らぬ間にこの借家の賃貸保証人になっていた」という事情です。

故人は離婚後にそれまでの住まいを離れ、この借家へと引っ越してきました。契約の際、「保証人として名前を書いていいか」と頼まれたそうです。

お客様A

お客様A

そのときには私も家を出ていて、状況がよく分からないまま了承しました。でも無職だったので「審査に通らなかった」と連絡があったんです。その後は父がどこに住んでいるのかも知らないまま、疎遠になっていました。

その後、警察から父親の死を知らされると同時に、自分が連帯保証人になっていることを知ったといいます。故人は引っ越しの際に複数の物件に申し込んでおり、その中でこの家だけが契約に至っていたようでした。

遺品整理ビフォーアフター

片付けが終わり、すっかり空っぽになったお部屋で、私たちは娘さんにある物をお渡ししました。

遺品整理作業
関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

遺品整理で発見したアルバムです。全部、ご家族とのお写真ですね。

部屋の中には、大量のアルバムが大切に保管されていました。故人は引越しの際、家族の思い出が詰まったアルバムもすべて持ち込まれていました。

関西クリーンサービススタッフ

担当スタッフ 近藤

引っ越しでこの量を全部持っていくのは、プロの目から見ても大変だったと思います。家族のことがどうでもよかったのなら、捨てるはず。お父さまの中にはいつまでも家族での思い出があったのかもしれませんね

高齢者の孤独死、遺品整理の費用と作業内容

地域大阪
作業内容遺品整理
作業人数5名
作業時間6時間
使用トラック2tロングトラック×1台 パッカー車×1台
料金300,000円(税込み)

今回の現場は、死後1日でご遺体が発見されたため、特殊清掃が必要となるような臭いや汚れはありませんでした。
遺品整理では、写真や現金などの貴重品を一つひとつ丁寧に仕分けし、ご依頼者さまへお返しいたしました。
最後に、玄関先に残っていた血痕の洗浄を行い、すべての作業が終了しました。

【ご供養まで対応】孤独死の遺品整理は関西クリーンサービスへ

関西クリーンサービスでは、特殊清掃・遺品整理に加えて、仏壇や位牌、お守りなどのご供養にも対応しています。 代表自らが僧侶の資格を持っており、供養はすべて無料で対応しています。

孤独死や突然死の現場には、ご家族の手だけでは向き合えない現実があります。遺品や現場の整理・清掃、ご供養まで一括で対応できる当社に、ぜひ一度ご相談ください。

僧侶が行う遺品整理と供養

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