
家賃滞納が続いていた入居者が突然夜逃げ。残された部屋はゴミであふれていた……。
「どこから手をつければいいのかわからない」
「清掃費用は誰が負担するのか不安」
「勝手に片付けても大丈夫なのか心配」
そんな悩みを抱えていませんか?
ゴミ屋敷となった物件を放置すると、悪臭や害虫の発生だけでなく、物件の資産価値を損ない、原状回復にかかる費用も大きく膨らみます。
この記事では、夜逃げの発覚直後に取るべき初動対応から、清掃・片付けにかかる費用相場、残置物の処分や法的手続きに関する注意点について、実例を交えてわかりやすく解説します。
「できるだけ早く、安全かつ適切に対応したい」という大家・物件オーナーの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 夜逃げ・ゴミ屋敷発覚時の緊急チェックリスト
- まず初めにやるべきこと
- 鍵を開けての立ち入りはNG?法的リスクを解説
- 夜逃げゴミ屋敷を片付ける手順
- 1.入居者への連絡を再度試みる
- 2.連帯保証人に連絡する
- 3.内容証明郵便で滞納家賃を督促
- 4.契約解除の通知書(催告書)を送付
- 5.明け渡し訴訟、強制執行など法的措置を通知
- 6.残置物の処分
- 保証会社へ報告(保証会社の契約がある場合)
- 夜逃げ後のゴミ屋敷片付けにかかる費用と対応事例
- 夜逃げゴミ屋敷の残置物処分の対応事例
- ゴミ屋敷片付けの費用相場
- 残置物処分費用は誰が支払う?
- 夜逃げ・ゴミ屋敷を未然に防ぐ賃貸管理のポイント
- 入居審査でのチェックポイント
- 契約書に盛り込むべき条項例(室内管理義務・立ち入り条件)
- 家賃保証会社の活用
- 見守りサービスの導入
- まとめ:夜逃げやゴミ屋敷の対応は早期行動がカギ!
夜逃げ・ゴミ屋敷発覚時の緊急チェックリスト
入居者の夜逃げに直面した際、冷静な初動対応を取れるかどうかで、その後の損害リスクや手間は大きく変わります。
ここでは、夜逃げ後のゴミ屋敷を発見した際に押さえておくべき初動対応について、具体的なポイントを解説します。
まず初めにやるべきこと
ゴミ屋敷が発覚しても、自己判断で勝手に室内に立ち入ったり片付けを始めるのは避けましょう。まずは以下の手順に従って、冷静に状況を確認・記録することが大切です。
①入居者への連絡を試みる
電話・メール・書面など複数の手段で、本人との連絡が取れないかを再確認します。
②連帯保証人・身内・保証会社・警察などへの連絡
保証人や保証会社と契約している場合は、早期に状況を共有し、今後の対応方針を確認します。状況によっては警察への相談も検討してください(※ただし、警察は民事不介入のため、緊急性がある場合に限られます)。
③外部から分かる状況を記録する(写真・動画)
あとでトラブルにならないよう、発見時の状態をしっかり記録しておきましょう。
ゴミの異臭や害虫の発生がある場合、個人での対応は危険です。健康被害のリスクもあるため、清掃業者への相談をおすすめします。
鍵を開けての立ち入りはNG?法的リスクを解説
たとえ入居者が夜逃げしているように見えても、本人の同意なく勝手に室内に立ち入ると、法的トラブルを招きかねません。
無断での入室や残置物処分は、「不法侵入(住居侵入罪)」「所有権侵害による損害賠償」「賃貸借契約の不当解除による契約違反」に該当する恐れがあります。
一方で、ゴミ屋敷を放置すると、近隣住民からの損害賠償や行政指導を受けるリスクもあります。状況を放置することで、周囲の住民に悪影響を及ぼす場合、管理責任を問われる可能性も否定できません。
ただし、以下のようなケースでは「正当な立ち入り」が認められる可能性があります。
- 火災・水漏れ・ガス漏れなど、建物や他の入居者に被害が及ぶおそれがある
- 害虫・ネズミなどが発生し、近隣住民に健康被害や迷惑が及んでいる
- 長期間にわたって連絡が取れず、室内から強い悪臭が発生しているなど、人命に関わる可能性がある
- 警察などから立ち入り要請があった場合
上記のようなケースでも、あくまで「緊急性がある」と客観的に判断できる状況に限られます。判断に迷ったら、必ず第三者(警察・弁護士など)に相談してください。
警察は基本的に夜逃げなどの民事トラブルには介入しませんが、人命に関わる可能性がある場合や近隣から通報があった場合には、立会いを依頼できるケースがあります。
夜逃げゴミ屋敷を片付ける手順

夜逃げによって放置されたゴミ屋敷を適切に処理するには、いくつかのステップを踏み、法的なリスクを回避しながら対応する必要があります。
以下では、残置物の処分や訴訟手続きも含めた具体的な手順を、流れに沿って解説します。
1.入居者への連絡を再度試みる
すでに入居者への連絡を試みている場合でも、正式な手続きに入る前には「記録に残る方法」で再度アクションを取りましょう。電話やメールのほか、通知書を簡易書留で送付するなど、後に「適切な催告を行った」ことを証明できる手段を選ぶことが重要です。
2.連帯保証人に連絡する
連帯保証人への連絡も、口頭だけで済ませず、文書での通知を残すことがポイントです。
この時点で保証人が状況を把握していない場合、話し合いによって自主的な片付けや費用負担の協議が成立することもあります。
逆に、保証人とも連絡が取れない場合は、法的措置を検討するタイミングといえます。
3.内容証明郵便で滞納家賃を督促
入居者への連絡がつかない、あるいは反応がない場合は、内容証明郵便による正式な督促を行います。
滞納家賃の額、支払期日、今後の対応方針(契約解除の可能性)を明記し、送付日や内容が記録として残る形を取りましょう。
内容証明郵便は、後の訴訟手続きで「催告を行った証拠」として使えるため、必ず控えを保管しておきましょう。
4.契約解除の通知書(催告書)を送付
家賃督促にも応答がない場合は、賃貸借契約の解除を通知する文書(催告書)を送付します。
この書類では、「◯日以内に退去しなければ契約を解除する」という明確な期限を設ける必要があります。
ここでも、内容証明郵便などで記録が残る形を選びましょう。
5.明け渡し訴訟、強制執行など法的措置を通知
契約解除通知にも一切反応がない場合、法的な明け渡し請求に移行します。具体的には「明け渡し訴訟」を提起し、勝訴判決を得た上で強制執行の申立てを行います。
【明け渡し訴訟や強制執行に発展する典型例】
- 室内に大量のゴミや残置物が放置されており、入居者の意思が確認できない
- 内容証明郵便による督促・解除通知にも一切応答がない
- 郵便物が「宛先不明」で返送され、居所も不明
- 公示送達(裁判所の掲示による通知)にも反応がない
公示送達が確定し、判決が出ても実際に強制執行を行うには、執行官の立ち会いが必要です。また、残置物がある場合は別途「動産執行」などの手続きが必要になるケースもあります。
動産執行とは?・・・家財道具や商品、機械などを差し押さえ、売却して、その代金から債権を回収する民事執行手続きの一つです。
6.残置物の処分
法的な明け渡し手続きが完了した後、ようやく残置物の処分に着手できます。
勝手に処分するとトラブルの原因となるため、以下のようなプロセスを踏むと安全です。
- 残置物の写真・動画記録を残す(証拠保全)
- 専門業者に見積もりを依頼し、内容を保証会社または関係者に共有
- 「相当期間保管後に処分する」旨を通知・掲示する(※公的なガイドラインに準拠)
また、放置された物の中に明らかな貴重品や書類がある場合、一定期間の保管義務が生じることがあるため、軽率に廃棄しないよう注意しましょう。
保証会社へ報告(保証会社の契約がある場合)
保証会社と契約している物件であれば、夜逃げ発覚時から逐次報告を行っておくことが重要です。対応の流れや書類作成、法的手続きの代行などをサポートしてくれる場合もあり、自力で対処するよりもスムーズに解決できるケースもあります。
保証会社によって対応範囲や必要書類が異なるため、契約内容を事前に確認し、手順に従うようにしましょう。
夜逃げ後のゴミ屋敷片付けにかかる費用と対応事例
夜逃げによってゴミ屋敷と化した賃貸物件の原状回復には、多額の清掃費用や法的手続きが必要になるケースがあります。ここでは実際の対応事例をもとに、想定される費用相場や負担者の考え方について詳しく解説します。
夜逃げゴミ屋敷の残置物処分の対応事例
事例①:連絡不通・悪臭とウジ虫が広がる1R物件

1Rの物件で家賃滞納が続き、オーナーさまは何度も入居者に連絡を試みましたが、一切応答がありませんでした。連帯保証人とも連絡が取れず、最終的には弁護士を通じて法的手続きを進行。ようやく室内確認と片付けにこぎつけました。
部屋には飲みかけの缶ビール、生ごみ、コンビニ弁当の容器が山積み。室内には強烈な悪臭が漂い、大量のウジ虫が湧くなど、衛生状態は極めて劣悪でした。清掃後も床には汚れが染み付き、原状回復には時間と費用がかかりました。
「手続きを進めている間も状況は悪化していた。これ以上放置していれば、修復はもっと大掛かりになっていたかもしれない」とオーナーさまは仰っていました。
作業内容 | 大量のゴミ・不用品の片付け ハウスクリーニング |
作業人数 | 3名 |
作業時間 | クリーニングを含めて約6時間 |
使用車両 | 1.5tトラック パッカー車 |
料金 | 270,000円(税別) |
事例②:保証会社の活用でスムーズに対応できたケース

この物件では、夜逃げ発覚の7か月前から家賃滞納が発生。その時点で外部からは室内の状況がわからず、督促通知にも反応がないまま夜逃げが判明しました。
いざ入室すると、ペットボトルや食品トレーなどのゴミが胸の高さまで堆積しており、完全なゴミ屋敷状態でした。入居時に残置物補償付きの家賃保証を契約していたため、保証会社を通じた請求と清掃手配がスムーズに進みました。
「まさかゴミ屋敷とは思わなかった。不動産に詳しい清掃業者に相談できて助かった」とオーナーさまは仰っていました。
作業内容 | 大量のゴミ・不用品の片付け ハウスクリーニング |
作業人数 | 5名 |
作業時間 | クリーニングを含めて約6時間 |
使用車両 | 2tトラック パッカー車 |
参考料金 | 300,000円(税別) |
ゴミ屋敷片付けの費用相場
夜逃げ後にゴミ屋敷が発覚した場合、清掃や残置物処分にかかる費用は想像以上に高額になることがあります。
放置すればするほど状況は悪化し、原状回復コストが膨らむリスクも。
ここでは、夜逃げ後のゴミ屋敷清掃に必要な費用の目安をご紹介します。
【一般的な片付け費用の目安】
1R・1K(20〜30㎡程度) | 5万〜15万円前後 |
1LDK・2DK(40〜60㎡程度) | 15万〜30万円前後 |
2LDK・3DK(60〜80㎡程度) | 30万〜50万円前後 |
一戸建て(100㎡超) | 50万円前後~ |
上記はあくまで目安であり、汚れの程度やゴミの堆積量によって費用は大きく前後します。夜逃げによって長期間放置されることで、室内に悪臭が広がっていたり、害虫が大量発生したりすると、追加作業が発生するケースが多く、それぞれに別途料金がかかります。
【追加で発生することが多い費用項目】
ハウスクリーニング(水回り・床・壁など) | 2万~7万円前後 |
オゾン脱臭・消臭作業 | 3万〜10万円前後 |
害虫駆除(ゴキブリ・ハエ・ダニ駆除など) | 3万〜15万円前後 |
リフォーム費用(クロス貼り替え・床材交換など) | 状況・範囲によっては数十万円規模 |
これらは基本清掃費用とは別途加算されることが多いため、初期の見積もり時点で業者に詳細な確認を取りましょう。
残置物処分費用は誰が支払う?
夜逃げによって残されたゴミや家具の処分費用は、基本的に次の優先順位で請求・回収が試みられます。
【費用負担の基本ルール】
- 入居者本人
原則として、退去時の原状回復費用は入居者負担です。 - 保証会社
家賃保証の契約がある場合、滞納分や原状回復費用の一部が補償されることがあります。 - 連帯保証人
保証会社で補償されない場合、連帯保証人に請求することも可能です。 - オーナー(大家)
入居者・保証人ともに回収不能な場合は、最終的にオーナーが負担することになります。 - 相続人
入居者が死亡していた場合、相続人が費用負担義務を負う可能性がありますが、相続放棄された場合は実務上の回収は困難です。
ゴミ屋敷や夜逃げが原因で重大な損害が発生した場合、オーナー側から入居者(または保証人)に対して損害賠償請求を行うケースもあります。
ただし、相手が支払いに応じない、所在が不明などの事情がある場合は、訴訟に発展する可能性もあります。損害が大きいときには、早めに弁護士などの専門家に相談すると安心です。
夜逃げ・ゴミ屋敷を未然に防ぐ賃貸管理のポイント
夜逃げやゴミ屋敷といったトラブルは、発生してから対応するのではなく、事前に防ぐための工夫が何よりも大切です。
ここでは、オーナーや管理会社がすぐに取り入れられる、夜逃げ・ゴミ屋敷の未然防止策をご紹介します。
入居審査でのチェックポイント
入居者審査の際には、収入確認だけでなく、生活状況や支援体制などもヒアリングしておくとリスク予防に役立ちます。
- 単身高齢者かどうか、家族との連絡頻度はどうか
- 在宅時間が極端に長い、または生活リズムが不規則でないか
- 収入に対して家賃負担が過大でないか(無理な入居契約になっていないか)
- 支援機関や家族など、緊急連絡先が確保されているか
このようなポイントを事前に把握しておくことで、孤立リスクや起こりうるトラブルをある程度予見し、対策を講じやすくなります。
もちろん、差別的な扱いや違法な審査は厳禁ですが、適切な聞き取りと判断を行うことはオーナーや管理会社のリスク軽減に繋がります。
契約書に盛り込むべき条項例(室内管理義務・立ち入り条件)
夜逃げやゴミ屋敷といったトラブル予防のためには、賃貸契約の条項にゴミ出しや室内管理に関する義務を明記しておきましょう。
たとえば、以下の内容を特約として加えることで、トラブルの抑止力となります。
- ゴミの分別と収集日の厳守
- 室内での長期間にわたるゴミ放置の禁止
- 必要に応じた管理会社による室内点検への同意
万が一、ゴミ屋敷化や室内衛生の悪化が起きた場合でも、こうした契約条項を根拠に、是正要求や契約解除をスムーズに進めやすくなります。
家賃保証会社の活用
夜逃げやゴミ屋敷化のリスクに備えるには、家賃保証会社への加入を義務付けることも有効な方法です。
保証会社を利用することで、以下のようなサポートが受けられる場合があります。
- 家賃滞納時の立替え
- 明渡し訴訟や強制執行にかかる法的支援
- 原状回復費用の一部補償
また、最近では「室内管理義務違反による損害補償特約」を付帯できるプランも登場しており、リスク対策の幅が広がっています。
契約時には保証内容をしっかり確認し、夜逃げやゴミ屋敷に対応できるプランを選びましょう。
見守りサービスの導入
入居者にいち早く気づくには、物件の定期巡回や見守りサービスの導入が効果的です。
たとえば、以下のような簡単な巡回でも、異変のサインをつかめることがあります。
- 月1回程度の共用部や玄関先のチェック
- 郵便受けに郵便物が溜まっていないかの確認
- 異臭・異音、害虫発生の有無を夜間にチェック
また、高齢の単身入居者には、見守りサービス(定期連絡やセンサー通知など)の利用を契約条件に加える方法もあります。
小さなサインを見逃さずにキャッチできる体制を整えることで、夜逃げやゴミ屋敷化といった大きなトラブルを未然に防げます。
まとめ:夜逃げやゴミ屋敷の対応は早期行動がカギ!
夜逃げやゴミ屋敷の問題は、法的な手順を踏んで対処する必要があります。最終的な解決まで長い期間を要し、弁護士などへ支払う費用もかかります。そのため、発覚した段階でどれだけ早く行動に移せるかが、費用とリスクを最小限に抑えるポイントです。
対応が遅れると、原状回復費用が膨らんだり、近隣からのクレーム対応に追われてしまいます。
万が一、夜逃げやゴミ屋敷のトラブルが発生した場合は、自己判断で動かず、弁護士などの専門家に早めに相談しましょう。

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