
特殊清掃とは
皆さんは、特殊清掃というものをご存知でしょうか。
大きなトラブルやアクシデントもなく過ごしてきた方にとっては、知る機会もないまさに特殊な分野のお話です。アパートなどの賃貸経営を長くやっている方や、不動産関係の会社を経営もしくはそこに勤務している方なら知っているかもしれません。
特殊清掃とは、部屋の中で自殺や殺人、何らかの死亡事故や病死などが起き、しばらく発見されなかったために部屋が血液や体液で汚れたり、遺体の腐敗が進んで腐敗液や腐敗臭、うじ虫やハエ、ゴキブリ、ネズミといった害虫や害獣が発生しているような状態で清掃を行うサービスのことを指します。
自殺や殺人の現場で
自殺や殺人などの事件現場では、まずは警察による現場検証が行われ、遺体についても一般的には警察が運んでいき司法解剖などが行われます。
司法解剖の後は荼毘に付され、親族などに引き取られて葬儀や密葬が営まれます。そのため、どんなに体の状態が酷くても、遺体そのものの対応は警察や葬儀業者などを通じてどうにか行えます。
問題はその遺体があった部屋です。血液や体液、汚物、腐敗液などがしみ込んでしまった部屋の片づけまでは、警察などはしてくれません。
そこで頼みの綱となるのが特殊清掃を手掛ける専門業者です。専門の知識とノウハウ、高圧洗浄機をはじめとする専門の機器を用いて、365日体制で清掃に駆けつけてくれます。
最近増えている孤独死の現場で
近年は自殺や他殺といった事故や事件の現場だけでなく、特殊清掃の業者が活躍する現場が増えています。
それが孤独死の現場です。
高齢者の独り暮らしや高齢者の夫婦といった高齢化に伴う増加だけでなく、若い方の独り暮らしや、幼い子供のいる世帯などでも、病死や餓死、エアコンがない猛暑の室内での脱水症状や熱中症による死亡で、遺体の腐敗による異臭が発生するまで発見されないという事態が増えています。
こうしたケースでも警察の現場検証が行われた後は、特殊清掃をすることがあります。