お知らせ「特殊清掃業者の非常事態宣言」~コロナ禍で増加する孤独死の特殊清掃~

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大阪を中心に京都、奈良で遺品整理や特殊清掃サービスを提供しているA-LIFE株式会社運営の「関西クリーンサービス」は2020年10月~21年1月における孤独死に関連した清掃のご相談が例年の約5倍に増加したことをお知らせします。

 

A-LIFE株式会社が運営する「関西クリーンサービス」では孤独死や事故現場を原状回復する特殊清掃、及び脱臭・除菌サービスを提供しています。2020年から世界各国に猛威を振るう新型コロナ感染症。日本でも二度目の緊急事態宣言が発令されました。「日本は世界各国と比較して、コロナ感染症による死者は少ない」そう思っている方も多いかもしれません。

 

しかし新型コロナ感染症が認知されて以降、弊社に持ち込まれる孤独死の現場の特殊清掃の相談件数が約5倍に増えています。多くは独居の高齢者の孤独死です。こうした特殊清掃の相談は、孤独死した高齢者のご親族からが大半です。

弊社へ実際にご依頼くださったお客様の話を二つ紹介します。どちらも外出を警戒されていた時に起こった出来事です。

 

「離れて暮らしている高齢の父を気にかけてはいたが自分たちがコロナに感染すると職場にも大きな迷惑をかけてしまうと思い、なかなか来ることができなかった。警察から連絡があり、父が孤独死したと知らされた時はまさかこんなことになるなんて…」と言葉を詰まらせる依頼者様。

 

もう1人は「これまでは1人暮らしの母を月に2・3度訪ねていましたが、医療現場で働いているので家族や職場以外の人に会う機会を減らしていました。数か月空いて会いに来た時、母が一人で倒れているのを発見しました」と目に涙をためながら話してくださいました。

 

このようなコロナ禍で起こった、身近な人との思いがけない別れ。ご遺族の悲しみははかり知れません。

 

また、メディアでは連日、感染者数が報道されています。感染者・死亡者数は日に日に増加しており、特に高齢者や基礎疾患のある方は重症化するリスクが高いことも報告されています。このような情報を見聞きし、外出することに不安を覚えて自宅に閉じこもる高齢者は多いのではないでしょうか。そうして自宅に閉じこもる状態が当然になってしまうと、周囲の人が高齢者の不調に気づく機会が失われ、死のリスクが高まります。

 

弊社は、こうした孤独死は新型コロナ感染症による間接的な死だと考えています。

 

弊社のような特殊清掃業者に依頼がくる現場は、死後に発見が遅れ腐敗してしまった孤独死の現場が大半です。
特殊清掃が増える事は、決して良い事ではありません。

 

コロナ禍で増加する高齢者の孤独死

これまでも孤独死した高齢者のご親族などから遺品整理の依頼を受ける機会は多くありました。次のグラフは、2019年と2020年それぞれにおける弊社への孤独死に関わる相談件数の変化を表しています。

このように新型コロナ感染症の流行があった2020年は、前年と比較して弊社に寄せらる孤独死をきっかけとする遺品整理や特殊清掃の依頼が約5倍となっています。
実際に清掃する社員に、現場の変化を訪ねてみると以下のような回答がありました。

 

・二次感染の恐れもあるためゴーグルやマスク、防護服などの防護、作業後の消毒を強化した。(30代/清掃スタッフ)
・搬出物を二重梱包したり、家具もラップ梱包したり従来より搬出に気を遣うようになった。(30代/清掃スタッフ)
・発見までの日数が長く、クッションフロアの下は部屋の2/3ほどまで体液が広がっているなど、これまでに比べて凄惨な状況の現場が多い。(20代/清掃スタッフ)
・孤独死された高齢者の死因がわからず、コロナ感染の恐れもあるかもしれないと、室内へ入ることを警戒される依頼者が増えた。(30代/清掃スタッフ)
・「コロナや緊急事態宣言でコミュニティの活動が停止となり、孤独に暮らす高齢者が増えている」との状況が孤独死の増加に大きく関係していると行政の担当者が悔しさを滲ませていた。(30代/営業スタッフ)

 

長引く自粛要請が高齢者の孤独を加速させています。特に持病や疾患をお持ちの高齢者は、コロナ感染が生命の危機に直結するためどんどん孤独な環境に陥ってしまうのです。
そもそも日本の高齢者には孤独な傾向があります。平成27年に行われた内閣府の調査(※)によると「家族以外に相談あるいは世話をし合う親しい友人がいるか」の質問に対して、日本の高齢者の25.9%は「いずれもいない」と回答しています。他国の高齢者による同回答の割合をみていくと、スウェーデンで8.9%、アメリカで11.9%、ドイツで17.1%です。

 

新型コロナ感染症により現代社会における高齢者の孤独という社会問題が深刻度を増しています。
※内閣府「平成27年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」

 

コロナ禍における孤独死の現場の変化 ~繋ぎ止められたはずの命に対する苦悩~

 

2020年の秋に特殊清掃をさせていただいた現場で、コロナ禍における高齢者の孤独と不安を強く意識したものがあるので紹介いたします。

現場は大阪府のとある住宅街にひっそりと佇むマンションの一室。近隣には商店街もあるため古いながらも活気があり、大阪らしい人情味あふれる地域です。そこで一人の高齢者が人知れず亡くなられました。

ご遺体の第一発見者は、ご依頼者でもある離れて暮らすご家族です。死後12日目での発見でした。

 

お話を聞くと、亡くなられた方は5年前に糖尿病を患ったことがきっかけで、ここ数年は日々のウォーキングを日課にされていたそうです。年を重ねても明るく活発な方で、近所の親しい友人と出かけたときの話を聞かされることもあったとおっしゃっていました。しかしコロナ感染症の蔓延を受けて不安を口にする機会は増えていたのだとか。

 

現場の清掃と整理をさせていただくと、これまでの孤独死の現場にはなかった特徴が明らかになりました。

 

はじめに目についたのは、大量に備蓄されたまだ新しいカップ麺や冷凍食品。買い出しに行かずとも、ゆうに1か月は食べていける量の食品があったため、コロナ禍における外出への強い不安が感じられました。また部屋は整理整頓され、流し台には亡くなる直前のものと思われる食事の跡だけが残されていました。

室内の状況から感じたのは、従来の孤独死の事例に多い「セルフネグレクト(※)」の特徴がなかったことです。そうした方が、コロナ感染症の蔓延による不安もあいまって外出自粛を余儀なくなれ、ついには誰にも看取られることなく、自宅の布団で亡くなられたのです。こうした「コロナさえなければ…」という状況で起こる孤独死が増えているのが2020年の印象です。

 

※セルフネグレクトとは、自分自身に対する放棄行為の状態であり、生活環境や身なり、食事、健康などのセルフケアが不足した状態をいいます。ゴミ屋敷のように不衛生な環境になることが多いのが特徴です。

 

コロナが重篤化する期間と高齢者が別居の子どもと連絡を取る頻度

 

WHOの報告によると、コロナ感染症の潜伏期間は平均すると約5日といわれています。そして重篤化する患者さんの場合、通常の風邪と同程度の症状が出てから約5日~7日で症状が急速に悪化し、肺炎に至ります。つまりコロナの初期症状を認めてから約1週間程度で肺炎に至る恐れがあるのです。

 

その一方で、子どもと別居する高齢者のうち約4割の人が、子どもと会ったり連絡を取ったりする頻度は月に1・2度以下であることが内閣府の調査で(※)報告されています。先ほども日本の高齢者には孤独な傾向があると述べましたが、同様のことがご親族との連絡頻度からも読み取れます。別居の家族との連絡頻度を増やすことは小さな変化ですが、こうした変化によって防げる孤独死があったのかもしれません。

※内閣府「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」


※内閣府「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」をもとにしたイメージ

 

大切な人の孤独死を防ぐのは、あなた

 

凄惨な孤独死の現場に携わる身として、弊社は地域社会が一体となって孤独死を予防する取組みを強めていくべきだと考えています。「孤独死」「特殊清掃」というとどこかで起こっている対岸の火事のイメージも強いですが、これらは身近に起こっているのです。弊社では、孤独死や特殊清掃を多くの人に知ってもらおうとYouTubeで清掃の現場を公開しています。

 

緊急事態宣言を受けたイベントの中止、地域コミュニティにおける活動の停止など間接的な原因は様々ですが、結局のところ高齢者の孤独死を増加させているのは「高齢者と社会の接点の喪失」に他なりません。つまりコロナ感染症の流行を受けて問題が浮き彫りになったのみであり、高齢者の孤独死の根本的な原因は従来から変わっていないのです。

 

また、国会でもコロナ禍の孤独問題に言及する一幕があり、現代における孤独はひとつの社会問題を形成しているのです。数々の孤独死の現場を見てきた私たちは今、小さな思いやりの積み重ねが、人の命を守るのだと感じています。触れ合うことの難しい時代において、大切な人の命を守るために何ができるのか。改めて考えてみてはいかがでしょうか。

 

そうした中で万が一、大切な人の身に何かが起こってしまった場合は弊社にご相談ください。

【お問い合わせ窓口】

お問い合わせ

■社名:関西クリーンサービス 【運営 A-LIFE(株)】
■所在地:大阪市東成区深江北3-16-39
■代表者:亀澤 範行
■電話番号:0120-673-373
■ホームページ:https://www.k-clean.jp/

 

2007年に関西クリーンサービスを創業し、大阪・京都・奈良を中心に近畿一円で「遺品整理」や「ゴミ屋敷」の清掃・整理のご依頼にお応えしています。
2019年3月および2020年3月に東京商工リサーチの調査により「遺品整理業」調べにおいてご依頼件数関西No.1を取得。
2021年、新たに日本コンシューマーリサーチの調査により近畿エリア在住の方が選ぶ①安心して任せられる 不用品回収サービス NO1②不用品回収サービス 信頼度 NO1③不用品回収サービス 価格おすすめ NO1の三冠を取得。