【医師監修】ゴミ屋敷とメンタルヘルスの関係性とは?ゴミ屋敷を生む意外な原因
- ゴミ屋敷

作業カルテ
「気づけば、部屋がゴミで埋まっていた――」
今回ご紹介するのは、引越しを目前に控えた30代男性からのご依頼。
片付けが間に合わず、自力ではどうにもならなくなったワンルームのゴミ屋敷です。
玄関から溢れかえるゴミ、リビングには足元が埋まるほどのプラスチックトレーとペットボトル、そしてその中で続いていた“生活”。
コンビニ弁当、ペットボトル、本、衣類……その一つひとつが暮らしの痕跡でした。
「なんとかしたいけど、何から手を付けていいかわからない」
「誰にも知られたくないけど、もう限界……」
そんなふうに悩む方にとって、本記事が少しでもヒントや安心材料になれば幸いです。
今回の清掃をご案内するのは・・・
![]() | ナビゲーター ”にゃんと” 大阪・京都・奈良を中心に近畿一円でゴミ屋敷片付けや遺品整理、特殊清掃のサービスを提供する関西クリーンサービスのマスコットキャラクター |
![]() | 解説 関西クリーンサービス スタッフ 太田春哉 関西クリーンサービスのベテラン清掃スタッフ。 「現場作業の詳細をYouTubeで公開しています。ぜひご覧ください!!」 関西クリーンサービスYouTube:https://www.youtube.com/@k_clean0 |
依頼を受けて現場に向かうと、玄関からすでに異様な雰囲気が漂っていました。扉を開けた瞬間、50~60cmほどの高さに積み重なったゴミが目に飛び込んできます。
ワンルームとは思えないゴミの量に、スタッフも驚きの声を上げるほど。
担当スタッフ 太田
ワンルームの玄関でこれほどの量は久々でした。
キッチンはほぼ物置状態で機能せず、トイレの扉はゴミに押されて開けるのも一苦労です。
リビングまでの通路は郵便物、衣類、日用品が混ざり合っています。
リビングに近づくほど、食品トレーやレジ袋など柔らかいゴミが徐々に多くなっていきました。足を踏み入れるたびにふくらはぎまで沈み込んで歩くのも困難です。
にゃんと
仕事から帰ってきても、これじゃぁ部屋にたどり着くまでが大変だね
足をとられながらリビングへたどり着くと、さらにゴミの嵩は増します。
担当スタッフ 太田
部屋の隅には、ゴミ袋に詰めたゴミが私の顔の高さまで積んでありました。
中には、食べカスやカップ麺の汁が残ったゴミがそのまま放置されています。
担当スタッフ 太田
食べ残しをそのままにすると、臭いや害虫の原因になるんです。
食べ物のゴミが多いこのお部屋も、わずかに悪臭がしていました。
にゃんと
ゴミの多さに加えて衛生面も悪化した部屋で、住人さまはどんな生活をしていたんだろう?
住人さまは、玄関で靴を脱ぎ、ゴミをよじ登ってたどり着いたリビングで生活を送っていました。スタッフがリビングへと足を踏み入れると、部屋の中には不思議と”生活の痕跡”が見えてきました。
ゴミが積み上がった部屋の壁際にある、くぼみ。周囲と隔てるように、漫画本を積んでスペースが確保されていました。
住人さまは実際にそこで寝ていたとのことです。大人が横になれるギリギリの広さでした。
にゃんと
窮屈じゃないのかな?
担当スタッフ 太田
かろうじて足を伸ばすことはできるけど、やっぱり窮屈です……
限られた空間ながら、食事も読書も睡眠も、すべてこの一か所で完結する唯一の生活空間です。
また、ペットボトルや弁当のトレーがそれぞれ別の場所に積まれており、ゴミの中でも本人なりに分別していた形跡がうかがえました。
担当スタッフ 太田
全体にごちゃごちゃしていると思っていたら、あっち(部屋の奥側)はペットボトルが多かったり、こっち(部屋の手前側)は弁当のトレーが多かったり、どことなく分別されていたんです。
にゃんと
食事したり寝る場所はあったみたいだけど、お風呂やトイレはどうしてたのかな?
担当スタッフ 太田
トイレは扉が開けにくかったんだけど、幸いにもお風呂とトイレの中はゴミが溜まっていなかったんです。
だから、ゴミ屋敷でもシャワーをしたり、歯を磨いたりすることはできていたみたいだね。
住人さまがこの部屋に住み始めて約10年。ゴミが増え始めたのは、2年ほど前だそうです。
何かきっかけがあったのか、住人さまにお話を伺いました。
お客様B
ちょうど2年前に職場が変わって、それがきっかけだと思います。
これまでと違う環境に慣れなくて、だんだんストレスが溜まって……
片付ける気力もなくなったていったんだと思います。
最初は袋に入れて分別していたゴミも、ストレスが大きくなるにつれて何もする気になれなくなったという住人さま。気づけば、自分ではどうにも出来ないゴミの量に……。
最近では、ゴミ袋に入れることすらできなくなっていたそうです。
担当スタッフ 太田
分別して、袋詰めまでできていたのに出せなかったのは、心身共にエネルギーが尽きていたのでしょう。
ゴミ屋敷化は単なる「怠け」ではなく、メンタルや生活環境の変化に大きく影響を受けることがあるのです。
まず目に入ったのは大量のペットボトルと弁当のトレーです。作業動線を確保しつつ、ゴミの分別を丁寧に実施します。
にゃんと
ゴミ屋敷の片付けは何からはじめるのが正解なの?
担当スタッフ 太田
基本は動線を確保するために、玄関や廊下からはじめるよ。
でも、今回みたいに袋にまとまったゴミがあったり、同じ種類のゴミが塊りであったらそこからはじめるのもありだね。
私たちは2・3人以上で動線確保と室内の片付けを同時に進めることが多いよ。
ゴミを分別して袋に詰めていくと、玄関では郵便受けがゴミに埋もれていたり、リビングではゴミの中から本棚やテーブルなどの家具が姿を現したり、ゴミの中からさまざまのものが出てきます。
にゃんと
ゴミに覆われていると、中からなにが出てくるか予想できないね。
家具も郵便受けも、ゴミに埋もれてたら本来の役割が果たせないどころか、ゴミと一体化してしまいそう・・・
ゴミを袋に詰め、作業は着々と進んでいきます。
にゃんと
もう、こんなに片付いている!
さらに作業が進むと、下層から漫画本や衣類が出てきました。
担当スタッフ 太田
ゴミ屋敷は、地層のように種類の異なるゴミが層を作っていることがあるんだ。
下の層ではペットボトルやトレーのゴミが少なくなって、漫画本や洋服が多くなったよ。
きっとこの頃はゴミを袋に入れられていたんだろうね。
数点の洋服はお客様から残して欲しいと聞いていたため、ダンボール箱へ仕分けていきます。
今回は、お客様から以下の品物を残して欲しいという要望を伺っていました。
ところが、予想以上に大量の衣類が出現。
下層に埋もれていたため、まだきれいな洋服も多く、どうしようか迷ったスタッフはお客様へ再度確認することに。
担当スタッフ 太田
お客さまは「着られそうな服は残してほしい」とおっしゃっていましたので、確認しながら残すものはダンボール箱へ保管していきます!
にゃんと
片付けの途中でも、きちんと確認してくれるとお客さまも安心できるね。
ほとんどのゴミを運び終えたところで冷蔵庫の中を確認。賞味期限が切れてカビだらけになった総菜の唐揚げを発見しました。
にゃんと
唐揚げの原形を留めてなくて、とても食べ物とは思えないよ……
中身を全て取り出したら、冷蔵庫を搬出します。
最後に、お客さまへ返却するものを整理し、掃除をして作業完了です。
にゃんと
すごい!別の部屋みたいだね!
片付けは何時間かかったの?
担当スタッフ 太田
作業時間は約4時間半です。
にゃんと
早いですね!
今回のゴミ屋敷で大変だったことは?
担当スタッフ 太田
ペットボトルや漫画本など、リサイクルできるものが多かったので、分別が大変でした。
にゃんと
ものすごい量のペットボトルだったよね。
全部でどれくらいだったの?
担当スタッフ 太田
ペットボトルは、約50~60本入るゴミ袋15袋分で、なんと約750本!
漫画本はダンボール10箱分くらいでした!
今回の作業では以下の通りの時間と人員を要しました。
地域 | 京都 |
作業内容 | 大量の不用品回収 |
作業人数 | 3名 |
作業時間 | 4時間30分 |
使用トラック | パッカー車、2tトラック |
料金 | 270,000円(税込) |
最短即日で無料見積もりいたします。
一見「ゴミに埋もれているだけ」に見える部屋でも、住人はそこで”暮らして”います。今回のゴミ屋敷の住人さまも、わずかに確保されたスペースで生活を送っていました。
ゴミ屋敷ではどんな生活をしているのでしょうか。
寝るスペースはゴミの山の中にわずかに確保された“へこみ”だけ。ゴミや雑誌、衣類の上で直接寝ることも少なくありません。
寝返りも打てず、ホコリやカビの影響で睡眠の質が極端に低下し、慢性的な疲労感に悩まされる方も多くいます。
浴室や洗面所もゴミでふさがれているケースが多く、長期間入浴できない生活が続くこともあります。
代わりにタオルで体を拭いたり、銭湯やジムなど外出先で済ませるケースが多いです。
ゴミ屋敷ではトイレも使えなくなっていることがあります。排泄を我慢したり、中には非常用の手段に頼るケースも。
詰まりや水漏れが起こっていると悪臭が部屋中に充満し、衛生的にも極めて危険な状態になります。
キッチンが物置と化しているため、自炊はほぼ不可能。
毎日コンビニ弁当や菓子パン、スナック菓子などに頼って栄養は偏りがちです。免疫力の低下や、生活習慣病などの病気を引き起こすリスクも上がります。
洗濯機が使えない場合も多くあります。数日に一度だけコインランドリーを利用できれば良いですが、洗わずにごみと一緒に放置されるケースも少なくありません。
清潔な衣類が手に入らず、同じ服を何日も着続けることも。
このような生活は不便で健康リスクも高く、アレルギー症状や慢性的な睡眠不足などの症状も出やすくなります。
以下のようなサインがあれば、片付けの「第一歩」を踏み出すことが難しくなっているかもしれません。
1つでも当てはまれば、片付けの「第一歩」が踏み出しづらくなっている可能性があります。無理に一人で抱えず、少しずつでもサポートを受けることを検討してみましょう。
・引越しや退去期限が迫っている
・ゴミが多すぎてどこから手をつければいいかわからない
・家族や知人に知られたくない
・異臭や害虫が発生している
・心身ともに限界を感じている
こんな時は、第一歩を踏み出すタイミングです。
関西クリーンサービスは、誰にも知られず、精神的・身体的負担をかけずに、あなたの片付けをサポートします。
片付けの詳細は関西クリーンサービス公式YouTubeでも紹介しています。ぜひご覧ください。
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